ほり
行政書士から弁護士になりたいんだけど。
司法試験・予備試験ってやっぱり難しいよね…
行政書士の合格者で、司法試験・予備試験にチャレンジする人は増えているよ。
しかく
ほり
難易度や出題範囲がかなり違うけど、合格できるものなの?
もちろん難易度は高いけど、行政書士の勉強を活かせる科目が多いから他資格より目指しやすいよ。
しかく
行政書士に合格した後、ステップアップのために他資格にチャレンジする人は多いです。
社労士や宅建士を目指す人が多いですが、司法試験・予備試験を突破して弁護士を目指す人も増えています。
でも、「合格できるの?」「受験するメリットはあるの?」といった疑問や不安を抱くもの。
この記事では、行政書士から弁護士になる(司法試験・予備試験に合格する)メリットと勉強法を紹介します。
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目次
行政書士から弁護士(司法試験・予備試験)を目指すメリット
行政書士から司法試験・予備試験(弁護士)を目指すメリットは、大きく2つあります。
- 共通の試験科目がある
- 一般知識の勉強を活かせる(2021年まで)
共通の試験科目がある
行政書士試験と司法試験・予備試験には、共通の試験科目があります
試験 | 科目 | |
行政書士試験 | 【法令科目】 基礎法学、憲法、行政法、民法、商法 |
|
【一般知識】 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解 |
||
予備試験 | 短答 | 【法律基本科目】 憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法 |
【一般教養科目】 人文科学、社会科学、自然科学、英語 |
||
論文 | 【法律基本科目】 憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法 |
|
【法律実務基礎科目】 民事訴訟実務、刑事訴訟実務及び法曹倫理 |
||
【一般教養科目(2022年試験から廃止) 】 人文科学、社会科学、自然科学 |
||
口述 | 【法律実務基礎科目】 民事、刑事 |
赤字が共通する科目。
4法が共通
行政書士試験と司法試験・予備試験では、憲法、行政法、民法、会社法が共通しています。
得点配分で見ると、300点満点のうち244点が上記4法です。
つまり、行政書士試験の内容のうち約80%が司法試験・予備試験と共通しています。
試験の出題範囲や必要な理解の程度は、2つの試験で大きく異なります。
でも、各科目の基礎は行政書士の勉強で身についているので、予備試験の勉強では最初から効率よく学習しやすいです。
行政書士は法学部卒業レベル、予備試験は法科大学院修了レベルの知識が求められます。
2つの試験の合格に必要な知識は大きく違いますが、共通科目があることは受験するときの大きなアドバンテージとなります。
しかく
一般知識の勉強を活かせる(2021年試験まで)
行政書士試験の科目には一般知識があります。
- 政治・経済・社会
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
一方で、予備試験の科目には一般教養があります。
- 人文科学
- 社会科学
- 自然科学
- 英語
科目の名称こそ違いますが、過去の試験では似た問題が出題されています。
例えば、個人情報保護法や情報公開法に関する質問は、行政書士試験でも予備試験でも頻出です。
行政書士試験における一般知識の配点は、56点と高めの設定です。
また、基準点(満点の50%程度)があり、下回ると他の科目が優秀でも不合格になります。
そのため、合格を目指すなら真剣に取り組むことになり、その経験や得た知識が予備試験の役に立ちます。
2022年度試験からは一般教養科目が廃止され、選択科目が導入されます。
しかく
行政書士試験と司法試験・予備試験の「勉強法」の違い
- 論文式対策が必要
- 行政法の出題範囲が違う
- 刑法・刑事訴訟法・民事訴訟法の勉強が必要
論文式対策が必要
予備試験は、短答式試験、論文式試験、口述試験の3つの試験があります。
特に難しいのが論文式試験。
行政書士試験には長文の論文問題が出題されないので、予備試験向けに文章作成能力を高める勉強が新たに必要です。
行政法の出題範囲が違う
2つの試験で共通している科目も、出題される範囲が異なります。
例えば行政法。
- 行政書士試験:行政手続法や行政不服審査法がメイン
- 予備試験:行政事件手続法や関連する判例がメイン
同じ行政法でも出題範囲がズレているので、予備試験で問われる分野の学習が新たに必要です。
刑法・刑事訴訟法・民事訴訟法の勉強が必要
予備試験の出題科目である民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、法律実務基礎科目などは、行政書士試験にはありません。
法律初学者の場合、予備試験対策でゼロから勉強する必要があります。
行政書士から弁護士にステップアップするメリット
予備試験ルートで司法試験に合格して弁護士になると、仕事の幅も大きく広がります。
行政書士と弁護士は共通する業務が多い
行政書士と弁護士には、共通する業務があります。
例えば、都道府県が発行する建設業許可申請は、行政書士でも弁護士でも対応可能です。
また、各種契約書の原案作成や、紛争の和解書や合意書を作成する業務なども、どちらも資格でも対応できます。
行政書士と弁護士の業務の違い
一方で、弁護士にしかできない業務もたくさんあります。
下の表を見てください。
出典:神奈川県弁護士会
弁護士は、法律事務の代理などを幅広く行うことができます。
一方で、行政書士は、法律の解釈に違いはありますが、関与できる範囲は限定的です。
離婚問題について、行政書士と弁護士の業務範囲の違いを見てみましょう。
出典:兵庫県弁護士会
業務 | 弁護士 | 行政書士 |
法律相談 | 〇 | × |
相手方との交渉 | 〇 | × |
離婚協議書などの作成 | 〇 | 〇 |
調停などの裁判手続 | 〇 | × |
他にも、示談交渉や法律相談、裁判手続きなど、弁護士にしかできない業務はたくさんあります。
行政書士ができることは弁護士でもできますが、弁護士ができることを行政書士ができるとは限りません。
行政書士から弁護士にステップアップすることで、仕事の幅がグッと広がります。
行政書士から弁護士になる(司法試験予備試験に合格する)勉強法
行政書士試験と司法試験・予備試験は共通する科目がありますが、難易度は大きく異なります。
予備試験に合格するには、3つのポイントがあります。
- 予備校・通信講座を使う
- 合格ライン突破を目標にする
- 予備試験向けの勉強法を身につける
行政書士から弁護士:予備校・通信講座を使う
司法試験・予備試験は、合格率3~4%の難関試験です。
独学で合格するには5,000時間はかかると言われており、法学部生や法科大学院生の多くが対策講座を受講しています。
行政書士試験に合格できたとしても、予備試験を突破するには、さらに相当な時間がかかります。
専業の受験生が、行政書士試験の合格直後から勉強を始めたとしても、3,000~4,000時間くらいは必要です。
そのため、効率的に学習して1~2年で予備試験に合格したいなら、予備校や通信講座の利用はほぼ必須です。
特に、働きながら限られた勉強時間で予備試験合格を目指すなら、対策講座で正しい勉強法を身につけることは欠かせません。
3年以上かけて合格を目指すなら話は別ですが、短期合格したいなら独学は現実的ではありません。
しかく
行政書士から弁護士:合格ライン突破を目標にする
予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験です。
弁護士へのステップアップを目指すなら合格できれば十分で、高得点を取る必要はありません。
そのため、膨大な出題範囲を網羅的に勉強する必要はなく、合格に必要な知識だけを身につければ足ります。
基礎知識の習得に1年を費やす予備校もありますが、合格点を取る知識ならもっと効率的に習得できます。
特に、社会人の場合は時間が限られているので、合格ライン突破を目標にして効率的に学習することが大切です。
試験の点数や順位が、司法試験に影響することはありません。
しかく
行政書士から弁護士:予備試験向けの勉強法を身につける
行政書士試験と司法試験・予備試験には共通する科目がありますが、勉強方法は異なります。
特に、行政書士試験にはない論文式試験の対策。
論文式対策は、知識や判例などをインプットと並行して過去問を解くアウトプットを繰り返すことが欠かせません。
また、作成した答案を添削指導してもらうことにより、次の能力を合格レベルまで引き上げます。
- 基礎知識や判例を正確に理解し、文章化する能力
- 重要事項は詳しく、それ以外は簡潔に書く能力
- 法的三段論法に基づいて論文を作成する能力
- 論理的で一貫性のある文章を書く能力
- 限られた時間の中で完成させる能力
法的三段論法は、大前提(条文など)に小前提(問題文に書いてある事実)を適用して結論を導く作業。
また、行政書士試験と共通する科目についても、出題範囲や問題の難易度は異なります。
そのため、予備試験の出題傾向を正確に把握し、頻出分野を中心にインプット・アウトプットしなおす必要があります。
行政書士から司法試験・予備試験を目指すための予備校・通信講座
司法試験・予備試験講座を取り扱っている予備校・通信講座は10校あります。
- LEC
- 伊藤塾
- Wセミナー
- 辰已法律研究所
- アガルート
- 資格スクエア
- スタディング
- スクール東京
- 資格スクール大栄
- BEXA
BEXAは、個人が講義を売買できる学習プラットフォーム。
スクール東京は、個別指導や少人数制指導に特化した通学専門の予備校。
資格スクール大栄の予備試験講座は、資格スクエアの吉野先生の講義を提供。
行政書士合格者向けの予備校・通信講座3つ
行政書士の合格者に向いているのは、次の講座です。
- 伊藤塾
- アガルートアカデミー
- 資格スクエア
論文式対策なら、辰已法律研究所も注目です。
しかく
伊藤塾
伊藤塾は、「司法試験対策は伊藤塾」と言われるほどの圧倒的な人気と実績のある予備校です。
2019年度の予備試験では、最終合格者の5人に4人が伊藤塾生という圧倒的な実績を出しています。
予備試験講座の特徴は、900時間を軽く超える講義に代表される網羅的なカリキュラムです。
- 伊藤真先生を含む16名の人気講師陣
- 2019年度予備試験の最終合格者476名のうち376名が伊藤塾生
- 合格後まで見据えた、予備試験講座で最も長大で網羅的なカリキュラム
伊藤塾の講座情報は、伊藤塾の司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
アガルートアカデミー
アガルートアカデミーは、司法試験・予備試験講座など法律系資格に強い通信講座です。
2020年度の予備試験では、20.29%という全国平均の4.9倍の合格率を叩き出しています。
講義やテキストの質は伊藤塾と比較されるレベルで、講師による手厚いサポートは予備試験講座で最高レベルです。
- 2019年度予備試験の最終合格率:17.7%(全国平均の4.4倍)
- 基礎講義は300時間と短く、演習講義や答練・添削は手厚いカリキュラム
- 週1回1時間の講師による個別指導など、予備試験講座で最も手厚いサポート体制
アガルートの講座情報は、アガルートの司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
お得に申し込みたい場合は、アガルートの評判と口コミ、アガルートのクーポン・割引セール(外部サイト)も要チェックです。
しかく
資格スクエア
資格スクエアは、Web上で学習を完結させられるeラーニングと、コンパクトなカリキュラムが好評な通信講座です。
予備試験講座は、累計合格者数が200名を超え、2019年には1位合格者を輩出するなど勢いがあります。
効率的に学習して短期合格できる講座として、社会人を中心に高い人気を誇ります。
- 高野泰衡講師による分かりやすい講義
- Web上で学習を完結させられるeラーニングシステム
- コンパクトながら多数の合格者を輩出しているカリキュラム
資格スクエアの講座情報は、資格スクエアの司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
辰已法律研究所の論文式対策
辰已法律研究所は、論文式対策や模擬試験が高く評価されている予備校です。
予備試験講座は、論文式対策の評価が高く、他講座の受講生でも「論文は辰已を使う」という人が少なくありません。
行政書士合格者のなかにも、基礎知識は独学または他講座で習得し、論文式対策で辰已法律研究所を利用する人がいます。
- 論文式対策が充実している
- 教材は独学者にも愛用者が多い
- アガルートと提携している模試の質が高い
行政書士から弁護士になる(司法試験予備試験合格)方法のまとめ
行政書士の合格者が、予備試験ルートで司法試験に合格して弁護士になることは、決して珍しくありません。
行政書士試験と予備試験は共通する科目があるので、行政書士で勉強したことが予備試験にも活かせます。
ただし、難易度は予備試験の方が相当に高く、論文式試験の対策など予備試験ならではの学習も欠かせません。
また、法学に詳しい人でも独学合格は困難なので、行政書士の合格者でも、予備校や通信講座の利用はほぼ必須です。
行政書士の合格者向きな予備校・通信講座は次の3つ。
- 伊藤塾
- アガルート
- 資格スクエア
中でも、伊藤塾レベルの講義・テキストで自宅学習できるアガルートは、働きながら勉強するのにピッタリです。
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