ほり
社会人が予備試験の合格を目指すのって無謀かな?
無理じゃないよ。
働きながら合格している人は毎年いるよ。
しかく
ほり
30代だし、法律もかじった程度だし、予備校に通う時間もないんだけど大丈夫かな?
勉強時間は必要だけど、年齢や学習経験はあまり関係ないかな。
予備校に通うのが難しいなら、通信講座を使って家で学習する選択もあるよ。
しかく
司法試験・予備試験は受験制限がないので、誰でもいつでも受験できる試験です。
合格率3~4%という最難関試験の1つですし、勉強に期間がかかるのは間違いありません。
でも、働きながら勉強して合格している人は毎年いますし、年齢や経験に関係なく合格できる試験です。
この記事では、社会人が司法試験・予備試験に合格するための方法を紹介します。
予備試験の人気予備校の比較は、アガルートと資格スクエアを比較、アガルートと伊藤塾を比較にまとめています。
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目次
社会人の司法試験・予備試験の合格率
社会人の司法試験・予備試験の合格率についてみていきます。
2019年度の司法試験・予備試験の合格率は4.04%、最終合格者は476名でした。
合格者の内訳は次のとおりです。
受験生 | 割合 | 人数 |
社会人 | 13.0% | 62名 |
法科大学院性 | 24.2% | 115名 |
大学生 | 52.5% | 250名 |
無職 | 8.4% | 40名 |
その他 | 1.9% | 9名 |
全体 | ー | 476名 |
- 社会人の合格者:最終合格者476名のうち62名
- 最終合格者に占める社会人の割合:13.0%
- 受験者に占める社会人の最終合格率:0.53%
受験者全体の最終合格率も4.04%と低いですが、社会人は0.53%とさらに低い数値です。
この数値を見ると、「社会人が予備試験に合格するなんて無理」と諦める人がいるのもうなづけます。
2020年は合格者442名中41名、2021年は467名中65名が社会人合格者でした。
しかく
社会人の司法試験・予備試験合格が無理・無謀と言われる理由
社会人の司法試験・予備試験合格が無謀と言われる理由は、大きく3つあります。
- 予備試験の難易度が高い
- 学習時間の確保が難しい
- モチベーションを保てない
予備試験の難易度が高い
まず、最初の理由は試験の難易度です。
過去5年間の合格率の推移を見ておきましょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2015年 | 10,334人 | 394人 | 3.8% |
2016年 | 10,442人 | 405人 | 3.9% |
2017年 | 10,743人 | 444人 | 4.1% |
2018年 | 11,136人 | 433人 | 3.9% |
2019年 | 11,780人 | 476人 | 4.04% |
2020年 | 10,608人 | 442人 | 4.16% |
2021年 | 11,717人 | 467人 | 4.0% |
最も合格率が高い2020年でも4.16%、他の年も4%前後です。
受験生の多くは法学経験者が大半を占めているにもかかわらず、相当に低い合格率が続いています。
法学部生や法科大学院生は日常的に法律を学び、社会人に比べると勉強時間もたくさんあります。
特に法科大学院の既修者コースの場合、入学時点で専門的な法学の知識を身につけているはずです。
こうした高いレベルで法学を学んでいる受験生でも、約25人に1人しか合格できないのが司法試験・予備試験です。
社会人の場合、法学部出身者ならともかく、法律の専門知識がある人は多くありません。
また、法律と関係のない仕事をしている人が大半です。
そのため、学生の受験生と比較すると、試験のハードルはより高くなります。
法学部出身者でも、法律と関係のない仕事を続けていると知識は抜けていきます。
しかく
学習時間の確保が難しい
学習時間を確保しにくいことも、社会人受験生の合格を阻む要因となります。
独学でゼロから勉強して司法試験・予備試験に合格するには、5000時間以上かかると言われています。
1日8時間勉強しても625日、1日4時間だと1250日もかかる計算です。
フルタイムで働いている場合、定時に帰宅しても、1日に勉強できる時間は朝と夜合わせて3~4時間程度です。
独身なら休日は1日勉強できますが、家族がいると勉強に割ける時間は限られます。
残業や休日出勤がある職場だと、さらに勉強時間の確保が困難になるでしょう。
そうすると、合格に必要な勉強時間を確保するだけでも相当長い期間がかかります。
また、受験期間が長くなるほど、習得した知識やノウハウを忘れてしまうのもネックです。
予備試験は、1~2年で集中して勉強するのが最も合格しやすいと言われています。
社会人の場合、1年以上も勉強中心の生活を送ることは、かなりハードルが高いと言わざるを得ません。
しかく
モチベーションを保てない
勉強のモチベーションを維持しにくいのも、社会人受験生のツラいところです。
周りに志を同じくする人がおらず、職場や家族から理解を得にくい環境で勉強を続けるのは簡単ではありません。
最初の数ヶ月は勢いでカバーできても、徐々にモチベーションが低下して途中で挫折する人が多いものです。
特に、何らかの壁にぶつかったときが危険です。
例えば、仕事上のトラブルや家庭内の不和などがあると、勉強する意欲がガタッと下がります。
また、勉強に行き詰まりを感じて中断し、そのまま立ち直れずフェードアウトする人も少なくありません。
私自身、仕事が忙しくなって勉強を投げ出しかけたことが何度もあります。
特に、勉強に行き詰まりを感じていると、些細なキッカケを「逃げ道」として利用していました。
しかく
社会人の予備試験合格を無謀じゃなくする勉強法4つ
試験の合格率や、社会人の挑戦が無謀という主張を見ると、「なるほど、合格は難しそうだ」と思ったかもしれません。
でも、司法試験・予備試験は社会人向けの試験です。
予備試験は、法科大学院に進学しなくても、その合格によって司法試験受験資格を得られる試験です。そのため、内容としては、法科大学院修了程度の力を受験生が身につけているか否かを判断するものとなります。
法律家を目指す多くの方が、法科大学院ルートは経済的・時間的コストが大きいため、法律家を目指すことにためらいを感じていたようです。しかし、予備試験ルートであれば、経済的・時間的コストを大幅にカットして法律家になることが可能です。引用:伊藤塾
原則として、司法試験の受験資格を得るには法科大学院を修了する必要があります。
でも、法科大学院を修了するには時間とお金のコストがかかり、社会人には相当ハードルが高いと言わざるを得ません。
そこで整備されたのが、時間とお金のコストが少なくて済む予備試験ルートです。
難関試験なのは間違いありませんが、社会人でも合格できるように作られています。
社会人が合格するためのポイントは、4つあります。
- 予備試験講座を使う
- やらないことを決める
- 合格ライン突破を目標にする
- スキマ時間に勉強を積み重ねる
基本的なことばかりですが、1つでも欠けると合格のハードルは一気に高くなります。
しかく
予備校・通信講座を使う
合格者の多くは、独学ではなく予備校や通信講座を利用して勉強しています。
理由は2つです。
- 正しい勉強法や方針が分かる
- 効率的に勉強できる
予備試験講座のある予備校や通信講座は、講師やスタッフが総力を挙げて、受講生を合格させるためのカリキュラムを組んでいます。
試験に精通したプロ講師が作り上げたカリキュラムは、学習効率を飛躍的に高めることが可能です。
個人差はありますが、独学よりも効率的に学習が進むので勉強期間も短く済みます。
一般的に、独学では5,000時間かかる学習時間を約3,000時間まで効率化できると言われています。
そのため、予備校や通信講座を利用して勉強のが、現在の司法試験・予備試験の一般的なスタイルです。
法学部生や学習経験者も使っているので、社会人受験生が利用しないと実力の差がより広がってしまいます。
予備校に通う時間がない人は、通信講座の受講を検討してみてください。
少し前は「司法試験と言えば伊藤塾」と言われていました。
でも今は、高い実績とそれを支える質の高いカリキュラムを備えた通信講座が複数あります。
講座選びで重要なのは、自分に合う講座を選ぶことです。
まずは複数の講座を同じ基準で比較し、気になる講座を見つけたら講義や教材をチェックしてみましょう。
口コミ・評判も大事ですが、それだけで選ぶと自分に合わず後悔しかねません。
講座の比較結果については、司法試験・予備試験の予備校・通信講座を比較にまとめています。
社会人が1~2年で予備試験合格を目指すなら、予備校・通信講座の利用はほぼ必須です。
3年以上かけて目指すなら、基礎固めは独学でして、演習や添削指導だけ使う方法もあります。
しかく
やらないことを決める
予備校や通信講座を利用しても、学生や専業の受験生と比べて勉強時間が少ないことは変わりません。
限られた時間をできるだけ勉強に充てるには、「やらないことを決める」ことが大事です。
例えば、勉強期間は趣味のゴルフを止める、飲み会の回数を減らすなどです。
独身なら、仕事と勉強を中心に生活を回すくらいでちょうど良いでしょう。
ただし、趣味や娯楽を減らしすぎるとストレスが溜まり、勉強のモチベーションも低下します。
試験勉強は、人生の選択肢の幅を広げ、生活をより良くするためのものであるはずです。
何でもかんでも断捨離するのではなく、適度に楽しみを残すことも忘れないようにしましょう。
勉強中心の生活を送ることになりますが、勉強に全てをささげると疲れ果てます。
予備試験の勉強は長期戦なので、心と体の調子を整える意識も持っておきましょう。
しかく
合格ライン突破を目標にする
限られた時間で合格するには、適切な目標設定も欠かせません。
社会人受験生の場合、合格ラインを突破することを目標にするのが一般的です。
司法試験・予備試験は、科目が多く出題範囲も膨大です。
全てカバーするのは専業の受験生でも困難で、社会人には現実的ではありません。
そこで、合格ラインの突破するのに必要な知識やノウハウだけを確実に身につけることが大事です。
基本的に、予備校は網羅性、通信講座は効率性を重視のカリキュラムを組んでいるので、目標設定は講座選びにも影響します。
しかく
スキマ時間に勉強を積み重ねる
社会人の場合、毎日まとまった勉強時間を確保できるとは限りません。
そのため、スキマ時間の勉強を積み重ねることが重要です。
社会人の合格者は、次のような短い時間を有効活用して勉強しています。
- 朝起きて朝食を食べるまで
- 通勤中の電車のなか
- 職場の休憩時間
- 家事の合間
- 入浴中
1回あたりの時間は短くても、日常的に積み重ねることで知識が身についていきます。
私の場合、行き帰りの通勤電車で各30分と職場の休憩時間に30分の計1時間半、帰宅して寝るまでに2時間の勉強を継続しました。
しかく
社会人向きの予備試験予備校・通信講座
司法試験・予備試験講座を取り扱っている予備校・通信講座は、全部で10校あります。
- LEC
- 伊藤塾
- Wセミナー
- 辰已法律研究所
- アガルート
- 資格スクエア
- スタディング
- スクール東京
- 資格スクール大栄
- BEXA
BEXAは、講師が講義を販売できる学習プラットフォームです。
元資格スクエアの吉野勲先生や、元Wセミナーの中村充先生など、有名講師が講義を販売しています。
しかく
社会人向きの司法試験・予備試験予備校3つ
社会人向きなのは、合格ライン突破を目標とするカリキュラムがあり、スキマ時間に学習できる次の講座です。
- アガルートアカデミー
- 資格スクエア
- Wセミナー
アガルートと資格スクエアは通信講座です。
Wセミナーは予備校ですが、予備試験講座は通信のみ取り扱っています。
しかく
アガルートアカデミー
アガルートアカデミーは、法律系資格の試験対策に定評がある通信講座です。
SNSを中心にアガルートの評判や口コミが広まっており、今では業界シェアでも伊藤塾に並ぶ勢いとなっています。
元LEC講師の工藤北斗先生を筆頭に、合計16名の講師が司法試験・予備試験講座を担当しています。
「基礎講義は効率重視、論文式対策は手厚いカリキュラム」が本気で合格を目指す人に人気です。
社会人受講生には、高い合格率とそれを支える講義やテキスト、予備試験講座で最も手厚いサポートが注目されています。
- 講師16名全員が新司法試験の合格者
- 最終合格率:20.29%(全国平均の4.9倍)
- 週1回1時間の講師による個別指導など、予備校以上に手厚いサポート体制
アガルートの講座情報は、アガルートの司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
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資格スクエア
資格スクエアは、効率性を重視した講座の人気が高い通信講座です。
人気講師の高野泰衡先生が司法試験・予備試験講座を担当しており、講師の魅力で講座を選ぶ人も少なくありません。
短期合格を目指せるコンパクトなカリキュラムは、効率的な学習で合格したい人にピッタリです。
社会人の間では、学習がWeb上で完結するeラーニングが「スキマ時間の学習に向いている」と評判になっています。
- 人気講師による分かりやすい講義
- 伊藤塾の半分程度のコンパクトなカリキュラム
- 講義視聴・問題演習・学習管理までWeb上で完結するeラーニング
資格スクエアの講座情報は、資格スクエアの評判・口コミにまとめています。
Wセミナー
Wセミナーは、2009年から大手予備校TACが運営している予備校です。
司法試験・予備試験講座は、リーズナブルな価格設定やコンパクトなカリキュラムが注目されています。
大手らしく講義やサポートには安定感がありますし、予備試験ルートを経験した講師による講義も人気です。
社会人受験生の間では、予備校の知名度や、働きながらでもこなせるボリュームが評判になっています。
- リーズナブルな価格設定
- 大手ならではの安定した講義
- 3校で最もコンパクトなカリキュラム
予備校に通うなら伊藤塾
司法試験・予備試験の予備校と言えば、伊藤塾が最有力候補というのが常識です。
確かに、圧倒的な実績があり、それを実現するカリキュラムも高く評価されています。
そのため、働きながら予備校に通えるなら、伊藤塾が最も有力な選択肢です。
ただし、通信コースはシステムやサポート体制に課題が残ります。
例えば、講義時間が長くスキマ時間の学習には向かず、講義画面にテキストが表示されないので自宅以外では勉強しにくいです。
サポート体制も、講師やスタッフとの距離が近い通学コースとは大きな差があります。
そのため、通学コースに通えるならおすすめですが、通信コースは社会人に向いているとは言いにくいです。
学習コストを抑えるならスタディング
スタディングも効率重視の通信講座です。
eラーニングシステムは、予備試験講座で最も多機能で、スマホ一つで学習が完結します。
講義時間が短く、スキマ時間でも集中して勉強できるのもメリットです。
でも、基礎講座はともかく、演習講座が他講座より手薄で、添削指導もありません。
短答式の合格までは狙えますが、論文式をスタディングのみで突破するのは難しいでしょう。
社会人の予備試験合格は無謀じゃない!まとめ
社会人でも、司法試験・予備試験の合格は可能です。
ただし、法学部生や専業の受験生という強力なライバルを相手に、限られた時間の独学で太刀打ちするのは現実的ではありません。
1~2年間で合格を狙うなら、予備校や通信講座を利用して学習するのが一般的です。
社会人向きなのは、合格ラインの突破を目標としていて、スキマ時間に勉強しやすい3つの講座です。
- アガルート
- 資格スクエア
- Wセミナー
特に、伊藤塾レベルの講義とテキスト、予備試験講座でトップレベルのサポートを受けられるアガルートが人気です。
\【今だけ】人気カリキュラム・講座がお得/
予備校に通えるなら伊藤塾、まずは短答式の合格を狙うならスタディングも選択肢に入ります。
でも、同じ通信講座でゼロから勉強して予備試験の最終合格を目指すなら、アガルート、資格スクエア、Wセミナーの参考が向いています。
3つの講座はそれぞれ特徴が大きく異なります。
相性の悪い講座を使っても学習効率は上がらないので、まずは講義やテキストをチェックし、自分に合うかどうか見極めてください。