ほり
司法書士から司法試験・予備試験にステップアップしたいんだけど。
司法書士に続けて司法試験・予備試験にチャレンジする人が増えているね。
「おすすめのステップアップ」として紹介している予備校もあるよ。
しかく
ほり
合格できるものなの?
司法書士の勉強で得た知識やノウハウは、予備試験の勉強で大きなアドバンテージになるよ。
しかく
司法書士から弁護士へのステップアップを目指して、司法試験・予備試験の勉強を始める人が増えています。
司法書士試験と予備試験は共通する科目が多いので、効率的に学習して短期合格を狙えるからです。
また、弁護士になれば業務の幅が広がることに魅力を感じる人も少なくありません。
この記事では、司法書士から司法試験・予備試験を目指すメリットと合格するための勉強法を紹介します。
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目次
司法書士から司法試験・予備試験を目指すメリット
司法書士から司法試験・予備試験を目指すメリットは、共通の試験科目があり、司法書士の勉強が活きることです。
共通の試験科目がある
司法書士試験と司法試験・予備試験の科目一覧と、共通する科目をまとめました。
科目 | 司法書士試験 | 予備試験 | 司法試験 | |||
択一 | 短答 | 論文 | 口述 | 短答 | 論文 | |
憲法 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
民法 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
刑法 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
商法 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
民事訴訟法 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
刑事訴訟法 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
行政法 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
不動産登記法 | 〇 | |||||
商業登記法 | 〇 | |||||
民事執行・保全 | 〇 | |||||
供託・司法書士法 | 〇 | |||||
法律実務基礎科目 | 〇 | 〇 | ||||
一般教養 | 〇 | 〇 |
- 司法書士試験で学習する科目:水色
- 予備試験で新たに学習する科目:ピンク色
司法書士試験の勉強が予備試験に活きる
司法書士試験では、予備試験の科目である「法律基本7科目」のうち5科目を学習します。
短答式試験の民事系科目(民法、民事訴訟法、商法)は、司法書士の勉強で得た知識で高得点を狙うことが可能です。
民事系3科目の配点は90/210点なので、司法書士の勉強が大きなアドバンテージになります。
法律基本7科目とは、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の7つ。
「民事系科目は司法書士試験の方が難しかった」「司法書士の勉強をしていたので短答式の民事系科目は勉強しなくても得点できた」という人が少なくありません。
しかく
また、予備試験(論文式試験)の法律実務基礎科目では、要件事実や弁護士法、弁護士職務基本規定などが問われます。
ここで問われる内容は、司法書士試験に合格した後に受験する「簡裁訴訟代理等能力認定考査」に近いです。
考査対策をしていれば、法律実務基礎科目にも備えやすいと言えます。
法律実務基礎科目は、対策すれば得点しやすい科目。
でも、予備試験から勉強する受験生は敬遠しがちなので、司法書士合格者はライバルと差をつけるチャンスです。
しかく
司法書士から弁護士にステップアップするメリット
予備試験ルートで司法試験に合格して弁護士になると、業務の幅が広がります。
司法書士と弁護士は共通する業務が多い
司法書士と弁護士には共通する業務があります。
法的書類の作成や戸籍の取得、各種申立てなど共通する業務は多岐にわたります。
例えば、遺言証書や遺産分割協議書の作成は、司法書士と弁護士のどちらでも作成可能です。
司法書士と弁護士の業務の違い
一方で、弁護士にしかできない業務もたくさんあります。
神奈川県弁護士会が作成している表を見てみましょう。
出典:神奈川県弁護士会
司法書士は、原則として、法律行為の代理や法律相談をできません。
例外的に、法務大臣の認定を受けた場合に限って、簡易裁判所の訴訟代理権が与えられます。
でも、「訴訟の目的の価額」や「紛争の目的の価額」が、140万円以下でなければなりません。
一方の弁護士は、あらゆる法律行為の代理や法律相談ができます。
例えば、遺産相続案件における司法書士と弁護士の業務の違いは、次のとおりです。
業務 | 弁護士 | 司法書士 |
遺言証書の作成 | 〇 | 〇 |
相続人の調査 | 〇 | 〇 |
戸籍取得 | 〇 | 〇 |
遺産分割協議書の作成 | 〇 | 〇 |
遺産分割協議の助言 | 〇 | × |
相続人との交渉 | 〇 | × |
不動産の名義変更 | × | 〇 |
相続放棄の手続き | 〇 | 〇 |
調停・審判の申立て | 〇 | 〇 |
調停・審判への参加 | 〇 | × |
司法書士から弁護士にステップアップすることで、仕事の幅がグッと広がります。
司法書士から司法試験・予備試験に合格するための勉強法
司法書士の合格者が司法試験・予備試験にも合格するための勉強法を見ていきます。
予備校・通信講座を使う
司法試験・予備試験は合格率3~4%の難関試験で、独学で合格するには5,000時間以上かかると言われています。
司法書士試験も難関試験ですが、予備試験の方がより専門的な知識とノウハウを求められます。
そのため、最短ルートで予備試験の合格を目指すなら、予備校や通信講座を利用して勉強するのが一般的です。
働きながら勉強する場合や、司法書士に合格してから長く法律から離れていた場合は、ほぼ必須と言っても過言ではありません。
独学で合格する猛者もいますが、そのほとんどが複数回受験したり、2~3年の学習期間を設けたりしています。
しかく
合格ライン突破を目標にする
予備試験は、司法試験の受験資格を得るための試験です。
満点でもギリギリでも、合格すれば司法試験の受験資格が得られます。
そのため、合格に必要な知識だけを身につける勉強をするのが基本です。
予備校によっては基礎知識の習得に1年以上かけるところもありますが、司法書士の合格者には必要ありません。
必要な知識だけを効率的に習得することを心がけましょう。
特に、働きながら勉強する場合は、限られた時間の中で、以下に学習効率を高めるかを意識することが大切です。
予備試験向けの勉強法を身につける
司法書士試験と司法試験・予備試験は、憲法、刑法と民事系3法など共通する科目があります、
でも、勉強法が同じというわけではありません。
最も大きな違いは、予備試験には論文式試験があることです。
短答式試験は司法書士試験の勉強法が通用しますが、論文式試験は別途対策が必要です。
論文式対策では、インプットとアウトプットの繰り返しで5つの能力を実践レベルに引き上げます。
- 基礎知識や判例を正確に理解して文章化する能力
- 重要事項を厚く、それ以外を簡潔に書く能力
- 法的三段論法で論文を書きあがる能力
- 論理的で一貫性のある文章を書く能力
- 試験時間内に完成させる能力
法的三段論法は、大前提(条文など)に小前提(問題文に書いてある事実)を適用して結論を導く作業。
また、司法書士試験と共通する科目でも出題範囲や難易度は異なるので、対策が必要です。
具体的には、予備試験の過去問を分析して出題傾向を知り、それに応じた勉強を繰り返します。
司法書士から司法試験・予備試験を目指すための予備校・通信講座
司法試験・予備試験の講座がある予備校・通信講座は10校あります。
- LEC
- 伊藤塾
- Wセミナー
- 辰已法律研究所
- アガルート
- 資格スクエア
- スタディング
- スクール東京
- 資格スクール大栄
- BEXA
- BEXA:講師と受験生が自由に講義を売買できる学習プラットフォーム
- スクール東京:個別指導や少人数制指導に特化した通学専門の予備校
- 資格スクール東京:資格スクエアの吉野先生の講義を提供(オリジナル講座はなし)
司法書士合格者向けの予備校・通信講座3つ
司法書士の合格者に向いているのは、次の講座です。
- 伊藤塾
- 辰已法律研究所
- アガルートアカデミー
司法書士合格から時間が経過し、初学者向けカリキュラムで勉強しなおしたいなら、資格スクエアも選択肢に入ります。
しかく
伊藤塾
伊藤塾は、司法試験予備校の中で最も知名度が高く、実績も圧倒的な予備校です。
毎年多くの合格者を輩出しており、司法試験と言えば伊藤塾と言われるほどの知名度を誇ります。
初学者向けコースは網羅的なカリキュラムが特徴で、「非効率的」という指摘もあります。
でも、司法書士の合格者なら、演習講義や答練・添削など論文式対策の単品講座を受講すれば足りるでしょう。
- 司法試験業界の有名講師が講義を担当
- 2019年度予備試験の最終合格者476名のうち376名が伊藤塾生
- 合格後まで見据えた、予備試験講座で最も長大で網羅的なカリキュラム
伊藤塾の講座情報は、伊藤塾の司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
辰已法律研究所
辰已法律研究所は、論文式対策が高い評価を受けている予備校です。
基礎講座のコースは他講座を利用し、論文式対策は辰已を使う人が少なくありません。
演習講座はもちろん、添削指導や模擬試験の質の高さは予備試験講座でトップレベルです。
司法書士合格から日が浅く、短答式対策は独学で済ませる人でも、論文式対策は辰已を利用することが多くなっています。
- 充実した論文式対策
- 独学者にも愛用者が多い教材
- 模擬試験の的中率や添削が秀逸
辰已法律研究所の講座情報は、辰已法律研究所の司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
アガルートアカデミー
アガルートアカデミーは、法律系資格の対策講座を中心に取り扱っている通信講座です。
2020年度の予備試験の合格率は20.29%で、全国平均の4.9倍という驚きの数値でした。
演習講義や答練・添削の質は伊藤塾や辰已法律研究所と比較されるレベルに達しています。
また、答案の個別指導を含むサポート体制は、講座で最も手厚いともっぱらの評判です。
- 利用者合格率の驚くべき高さ
- 通信講座離れしたレベルの講義と教材
- 週1回1時間の答案指導や進捗管理など、予備試験講座で最も手厚いサポート
アガルートの評判や口コミは、アガルートの司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
限定クーポンや申込特典は、アガルートのクーポン・割引セール情報を要チェックです。
しかく
資格スクエア
資格スクエアは、資格講座の「網羅的な学習」を否定し、「効率的に合格を目指せる講座」を提供している通信講座です。
予備試験講座の講義時間は伊藤塾の約半分ですが、累計合格者数は200名を超え、上位合格者も輩出しています。
講義視聴から問題演習、進捗管理までWeb上で対応できるeラーニングを採用し、「いつでもどこでも」学習が可能です。
論文式対策は上に書いた3校と比べて手薄ですが、一から勉強しなおしたい人にはおすすめです。
- 効率的に勉強できるコンパクトなカリキュラム
- Web上で学習を完結させられるeラーニングシステム
- AIを活用した出題予測サービス「未来問」やWeb問題演習
資格スクエアの講座情報は、資格スクエアの司法試験・予備試験講座の口コミ・評判にまとめています。
司法書士から司法試験・予備試験に合格する方法のまとめ
司法書士の合格者は、次のようなアドバンテージを持って司法試験・予備試験の合格を目指せます。
- 共通の試験科目がある
- 法律実務基礎科目に備えやすい
- 短答式試験の民事系科目は司法書士の勉強法が通用する
ただし、難易度は予備試験の方が高いですし、論文式対策などはゼロから頑張る必要があります。
また、独学合格も不可能ではありませんが、短期間で一発合格を狙うなら予備校や通信講座を使うのがおすすめです。
行政書士の合格者向きな予備校・通信講座は次の3つ。
各講座は特徴が異なるので、自分の目と耳でよく確認してから選びましょう。
司法書士に合格できる実力があれば、初学者向けのコースは不要です。
必要な講座だけを単品で購入した方が、学習コストを抑えられます。